ソニーのパッシブスピーカー「SS-AL3」です。 以下の整備を施しています。 ・　電解コンデンサ、抵抗器の交換 ・　磁性流体の引換え LPFの電解コンデンサ「AXF」をParcAudio製に交換しています。（写真9枚目） また、HPFのセメント抵抗をすべて酸化金属皮膜抵抗に交換しています。 容量はいずれもオリジナルから変わりません。 それ以外のコイル、フィルムコンデンサ、ケーブルはそのままです。 ツイーターの磁気回路に用いられている磁性流体を追加封入しています。 また、ドーム内の吸音材の再接着をしています。 ------ キャビネット外観は、天面と底面に細かい擦り傷はありますが大きな傷はなく、比較的綺麗な部類です。 前面ネットも穴はありませんが、裏面の一部剥がれていた部分を再接着しています。 ツイーターの樹脂プレートの仕上げのベタつきを、保護剤を塗って軽減しています。（写真8枚目上） 背面のバインディングポストは、分解し薬剤で洗浄してあります。 クロスネットワークのはんだ付けを、一部やり直しています。 ------ 90年代ソニーの国産高級ブックシェルフ型スピーカー「ALシリーズ」のエントリーモデルです。 設計にイタリアの高級家具ブランド「アルフレックス」が携わっており、オーディオ機器でありながら木製家具の明るく柔らかい雰囲気をまとったインテリア性の高いデザインです。 一方、このクラスではややオーバーともいえる厚みの合板をキャビネットにふんだんに使用し、さらに内部からも補強を施すなどの堅固な造りは、スピーカーとしてもかなり豪勢なものとなっています。 温暖かつ瀟洒な音です。現代的な音とはやや距離を置いており、全帯域にわたって余裕を持ちながら丸みと湿度のある鳴らし方をします。 重厚な筐体とフロント下部のツインポートによって、低音域を下のほうまで無理なく再生します。 整備は、消耗部の修繕が大半となります。 キャビネットの状態が良い個体なので、表層の研磨などもせずに拭き掃除をするのみに留めています。 ------ 主な定格 ・　2ウェイ2スピーカー/バスレフ式/防磁設計 ・　寸法：230W x 350H x 300D mm ・　重量：9.0kg ・　インピーダンス：8Ω ・　再生周波数帯域：42Hz～30kHz ・　出力音圧Lv：86dB/W/m